吉田迪子さん個展“内田家秋のおいでくだ祭”鑑賞後記  2023・10・26

今年度、第57回創展で栄えある最高賞である文部科学大臣賞を受賞した会員の吉田迪子さんの個展が10月22日(日)から10月29日(日)迄、秩父市蒔田の国指定重要文化財である”内田家(江戸中期豪農)”通称”繭の家”で恒例の“内田家秋のおいでくだ祭”で行われました。

内田家は300年歴史を持つ苗字帯刀を許された旧家であり、地元学芸員の内田家の歴史探訪トーク・村岡友憲と仲間達の演武・独演即興画・地味市場等賑やかなイベントが同時に開催されていました。

吉田さんの個展は今回も勿論、埼玉新聞社はじめ各新聞社で度々大きく取り上げられています。58歳で始めたペン画は21年間ひたすらに描き続けて、現在79歳の吉田さんのペン画は、地元は勿論、創展でも大きな話題になっています。

吉田さんの絵を一言で表現するとすれば”これは人間技とは思えない”精緻でありながら暖かく目の前の絵がリアルに胸に迫る本物の感動に打ち震えてしまいます!

吉田さんは全て現場主義ですから雨の日以外は毎日現場に通いイーゼルならぬ木製のテーブルにユネスコの世界遺産に登録された秩父の細川紙を広げ、下書きもなしに描き始め100号、120号の大作をそれこそ1年2年がかりで完成させるのです。正に絵の虫、創作している姿に鬼気迫るものがあり、パトカーを呼ばれて不審者に間違えらたこともあったと聞いています。

余談ですが、吉田さんの中学時代の古いペン画の作品を見せられた時、吉田さんの絵の才能が並々ならぬものだと認識しました。

此の度、地元秩父”内田家秋のおいでくだ祭”の内田家は吉田さんのペン画の個展をメインに様々のイベントが組み込まれています、真っ青に澄み切った秩父盆地の秋!芸術鑑賞の旅は、吉田さんの個展が醸し出す、すがすがしい癒しの時間を満喫出来る素晴らしい一日でした!                                                        森   務