佐野和利個展
枇杷倶楽部ギャラリーにおいて8月2日~15日開催の
佐野和利個展に行ってまいりました。
佐野氏の作品は今まで創展で拝見するほかはありませんでした。
今回初めて氏だけの作品に触れ「やはり!」と感じるものがありました。
風景を切り取り、季節を切り取り、時間を切り取り、「この風景のこの季節のこの時間の美しさを伝えたい!」と言っているような作品群でした。
私は佐野氏の個展に伺う前日に「マチス展」を鑑賞してまいりました。
絵画に理論を持ち込み、印象派を学び、点描画に触れ、キュービズムに触れ、フォービズムに至る、絵画の歴史を語るにはマチスは欠かせない画家であると思っております。が、なぜか、佐野氏の作品は鑑賞する私の心を穏やかに包んでくれるのです。このことは絵を描くことの原点であると思っております。理論ではなく美しいと感じ、伝えたいと思う、そのような作家の思いが鑑賞する私たちの心まで癒してくださったと思える個展でした。